言葉にすること。

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日々、いろいろなところで仕事をしている。

人と会うことが多いし、知らないことに出会い、感激している。

その際、あとでのことだけれど、できる限り何にどう感動したのかを言葉で書き留めるようにしている。

素晴らしい風景に出会ったときにも、風景に比べ、

語彙の無さからその言葉がむなしいくらいちっぽけに思えても、

自分の言葉で表現することにしている。

「写真家なんだから」とか「言葉の世界に住んでいる人じゃないから」とか

「言葉で表現できないから写真を撮ってるんです」とかっこよく逃げることもできるけど

うまくなる本質は、感性で捕らえたことをひとまずは言葉にすることだと思う。

言葉で表現することで、自分がやりたかったことがいっそう見えてくる。

先日、日本写真家ユニオン主催の写真の審査をやった。

この写真の審査には、2部門あって、その中の一つにクラッシックフォト部門というのがあった。

どんな部門かというと、自分が撮った写真でなくてもいいから”古い写真”を送ってきてコンテストをする!

というちょっと変わった部門。

そのなかの1枚の写真に感動させられてしまった。

食事前の「いただきます!」を家族でしている写真。

古い写真としては珍しいスナップ写真。

おそらくその家の家長が撮ったと思われる坊主頭の小学生の男の子、

その妹はわかめちゃん(さざえさんの)のような髪型で両手を合わせている。

そしてお母さんとその隣の人といった大家族の写真。

そんなメンバーの「いただきます!」の手を合わせて祈る姿が尋常でないくらい真剣なのだ。

”食事をいただけることに感謝します!”という深い思いがビシバシ伝わるばかりでなく

食事をいただくことの崇高さ、貴重さ(というの?)がその写真から真摯に伝わってくる。

この写真を前にして動けなくなってしまった。

昭和初期のあの頃の食事をいただくということの「ありがたさ」の空気を

写真とは、これ程時代を経ても伝えられるものなのか!ほんとに素晴らしいメディアだと思った。

 

今週は富士フイルム主催の札幌での「PHOTO IS」で講演させてもらうけれど

そのタイトルを「PHOTO IS SPEECH(写真は言葉)」にしてよかったと思う。

この思い、熱く語りたい!

9月6日、札幌、サッポロファクトリーにおいて14時から15時30分まで。

写真を見る5段階と写真を撮る5段階を中心に話します。

興味ある人は来てね。ハワイと日本全国の桜の写真をスライドショーにして見せます。

 

話はちょっとそれたけれど、写真と関わって生きてこれて

やっぱマジ幸せだわ!俺。

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このページは、CMSが2008年9月 4日 20:54に書いたブログ記事です。

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